2024年03月22,25,29日,04月01日

3月25日・月曜日。曇り、時に雨。このところの寒気、いまだ居座る。開花の便り聞かず。
3月29日・金曜日。雨のち晴れ。東京に開花宣言でる。靖国の標本木に集まった見物人たちは、気象庁職員の厳かな宣言に笑顔と拍手で答えた。この映像は、確かに人という不思議さを映している。この一言を聞くために、遠くから足を運び、それを確認できれば、気が済む。あとは贔屓の店に寄り茶菓を取り、チョイと一杯引っかけて帰路に就く。幸せになるには、それで十分なのだ。損得や地位と言った大仰なものは、何もいらない。
日々の幸せとはこうした無償の喜びの中にあるのであろう。そして、国民のこうような平穏な生活を守ることこそ、政治の仕事だと強く思う。いかな権力者と言えど、このような生活を奪ってはならない。自分の価値を押し付け、あるいは、己が野望のために、無理やり戦場に送り込むようなことをしてはいけない。この意味で、筆者はプーチン、習近平を強く指弾する。
4月1日・月曜日。晴れ。

承前。前回の文章を再読されればお分かりのように、砂漠都市を丸ごとひっくり返すような大土木事業を遂行し、その上で眼も眩むばかりの、膨大なエネルギーや資源が消尽され続けているということである。しかもその全てが半世紀という短期間のうちのことであれば、排出された廃棄物が自然の浄化力をこえて、次々蓄積され、陸海に対し、また大気にも耐えがたい損傷を来しているであろうことは、想像に難くない。それは上記のニューヨークタイムズの一文からも見て取れよう。
それについて、前回触れた水の消費量を見てみよう。カリフタワーの一日平均の水道使用量は25万ガロン(但し空調用・消火用冷却水は含まれない)であるという。これをリットル換算(946千ℓ)して、日本の3人家族の日量消費量(690ℓ)で割ると、1,371世帯分になる。断っておくが、我が国の水道水消費量は世界でもトップクラスにあり、にも拘らずこれだけの世帯数に当たるという点で、タワーの消費量の巨大さは察せられよう。さらに先に上げたれたプールやモールの水量を加えればどうだろう。しかもこれは、タワー周辺に限られた水量に過ぎず、ドバイ全域に拡大すれば、その消費量は予想もつかない。  
こうした膨大な飲料・生活用水は、現在はもっぱら海水の淡水化技術に負っている。確かに、将来的には現在の技術の一層の向上、あるいはそれとは全く別の発想による技術革新が生じ、環境への負荷が飛躍的に改善される余地のあることを、筆者は否定しない。現に、人工降雨技術の開発、実験がドバイでも行われている、と記事は言う。だが、反面、そうした新技術の完成と全面的な採用が地球全体に対していかなる影響を及ぼすかは、別個の重要な問題として考えられなければならない。もしかしたら、それは今日の淡水化の技術が抱えている以上の難題を引き起こすかも知れないからだ。
だがそれは、将来の問題である。現在は、当市はじめ首長国連盟は海水の淡水化技術に依存していることは、間違いない。その際、その海水処理には膨大な化石燃料を消費し、’22年度では2億トン以上の炭素を排出しているようで、それがペルシャ湾周辺に対する温暖化への影響は測りがたい(しかもこの淡水化の技術は世界的にも利用されているということから、地球規模への問題もまた憂慮されている)。
以上、ニューヨークタイムズの記事に触れて、ドバイの水問題に限って一言したが、それが周辺地域に及ぼす影響は、単にその空間的な広がりばかりか、時間的な持続性においても、無視しえないものであることが推察されよう。では、ここから何が言えよう。次回このことに一言し、この項を仕舞にしたい(以下次回)。


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です