2023年08月28,30日

8月28日・月曜日。晴れ。
8月30日・水曜日。晴れ。依然として猛暑が続く。わが理論によれば(何事においても、私は理論的考察を怠らない)、今月15日以降は次第に涼味を増し、秋の訪れを感ずるほどでなければならないのだ。だが、それどころか、今夏はクーラーの中で眠らざるをえず、寝覚めもすこぶる悪い。ベッドに入っても容易に寝つけず睡眠薬用に英字新聞を読んだりして、寝たり起きたりの有様。出社(最近はほぼ夕刻になり、時に人々の帰宅のラッシュに重なる場合もある)の日には、通勤中の就眠によって寝不足を補っているようである。ちなみに、本日は下車前の10分間はよく寝られたが、しばしば車中の冷房が効きすぎそれも不調の時には、チョイとつらい。自業自得だが、それでも今のところ重篤な病は無いらしい。傘寿を超えたわが夏の一日である。

目下のわが関心事は、地球温暖化だ。これに比べれば、他は大したことではない。現下のウクライナ戦争の先行き、台湾問題は、確かに世界が注目すべき一大事に違いないが、これらとて地球が存在して初めて成り立つ問題だろう。人間の生活する大地が燃え立ち、海洋が押し寄せ、次々襲来する巨大台風がすべてをなぎ倒せばどうか。そんな状況に直面しながら、人間はまだ、ここは俺の領地で、核心的利益だ何だかんだと因縁をつけ、軍を動かし、核兵器に手をかけるのだろうか。こんな風に考えると、プーチンや習近平の野望など、取るに足らないチッポケな事柄だと、改めて気付かされるのではないか。
しかし、プーチンや習を含めた世界の指導者のいったい誰が、今後さらに狂暴の度を増す「黙示録」的な凶事―人類はこのままでは、恐らくこれを回避できない、と筆者は見ている―の恐ろしさを肌身に感じ、真剣にこれに立ち向かう覚悟を持っているのであろう。多分、一人もいない。であればこそ、彼らは能天気にも自らの政権維持の対策にふけり、国民には耳障りの良いあの手この手の政策、何よりも経済成長の達成を声高に叫んでいられるのであろう。
だが、今やそんな悠長な時間的ゆとりは最早ない。このことは、自国ばかりか世界中で発生している、言葉を失う気候的な大惨事の頻発が証明しているではないか。例えば、山火事の惨害がある。オーストラリア、ハワイ、ギリシャ等々であり、それらについてニューヨークタイムズは、これまでもその都度委細を尽くしてた報道してきたが、中でも過日のカナダから合衆国にまで延焼した山火事は特異であった(ニューヨークタイムズ「火焔と煙にまかれたカナダの夏を生きるとは、どういうことか」(8/26-27、土・日)より)。
「本記事の執筆時で、5881件の山火事によって1530万ヘクタールが焼失し、10年間の毎年夏の平均である260万ヘクタールが何でもないかのように見えてくる。まるでニューヨーク州全体が焼失したに等しく、しかも火は今なお燃えているのだ。ある環境論者が言うには、「予想もつかないような」という言葉が使われすぎて、その語には今や起こった事の特異さ、恐ろしさを示す意味が失われてしまった」。この一文は、我われもこの所目の当たりにしている、百年単位でしか生じない筈の風水害の頻発を思えばよく分かる話であろう(以下次回)。


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