2022年06月20日

6月20日・月曜日。曇り。本日は前回の続きのつもりが、前文が長引いて、それが本文に化けてしまった。

蒸し暑さ募る。参った。明日は夏至。今夏の熱暑を思うと、今からひるむ。そう言えば、最近のニューヨークタイムズでは、世界中の気候変動による各地の惨禍が頻々と伝えられていた。例えば、米国ソルトレークの湖が縮小しつつあるとか、南洋諸島の水没の危機、あるいはインドでは熱波による死者の多発や穀物の生育不良にくわえ、ヒマラヤの氷河の溶解と洪水により、近隣地域が被害に合うと言った具合である。

そうして、開発と称する人間の経済活動が、一層気候変動の激化に拍車をかける。一昨日の同紙(6/18-19)は、コンゴ河一帯における熱帯降雨林の乱伐を報じているが、その惨状は見るも無残である。何しろ、何十メートルもある巨木が多数切り倒された流域は、樹木から流れ出る樹液でキャラメル状に濁るほどであり、これらをロープやワイヤーで括り付け大小の筏となして、下流の首都キンシャサ付近の港湾まで流すというのである。全行程は優に250マイルを超え、一か月以上を要する長旅である。その間、浅瀬に座礁し、流量に難儀し、時に筏は崩壊の憂き目を見るという。

しかも同地域は、南米アマゾン河流域に次ぐ、世界第二位の雨林地帯であるというから、それが果たす環境的・生態学上の巨大で多様な機能―すなわち、二酸化炭素の吸収と酸素の放出、生物多様性の維持等々―の喪失は、温暖化はもとより、地球上の全生物の生存に深刻な影響を及ぼすに違いない。

人類は気候変動の激化から、これまでも実に多くの警告を受けながら、眼前の利益に取り付かれ、大地をうがち、海底をあさり、しかも強大な機械力を駆使して、その規模を暴力的、累積的に拡大して今日まで来てしまった。そして、いまだにその歯止めをかけられない。持続可能な経済成長の声が漸く聞こえるようになったが、それでも先進国はその必要もないような「経済成長」に取り付かれている。このままでは、人類は益々狂暴の度を増す地球の温暖化、熱帯化に飲み込まれ、地球もろとも滅びるのではないかと、心底、思う。これに比すれば、覇権主義的な領土の拡大やら、欲に駆られた経済成長など、真に詰まらぬことではないのか。何しろ、自分たちが立っている地球そのものの存立が危ういとすれば、領土だカネだなどと、言ってはいられないではないか(この項、終わり)。


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