2022年02月21,25日

2月21日・月曜日。晴れ。前回の文書には、プーチンの軍事的意図、動機が示されなければならないが、ここでは一言のみにとどめたい。NATOの東欧圏への拡大が、露国の安全保障を危うくするからそれへの対抗措置だという。しかし、これは事柄のほんの一端、あるいは単なる言い訳ではないか。むしろ真の理由は、ウクライナ等かつてのソビエト連邦衛星国を出来るだけ取り戻し、こうした成果をもとに、プーチンの政治的野心である永久支配を成し遂げたいということではないのか。この点で、台湾統合を狙う習近平国家主席の野望と同根である。

2月25日・金曜日。晴れ。ロシアのウクライナ侵攻が本格化し、本日、首都キエフが砲撃された。激戦になれば、1週間、10日程度で制圧され、最後は主権国家ウクライナは消滅するかもしれない。プーチンはウクライナには国家としての歴史的な基礎はなく、レーニンが造ったと言ったほどである。つまりこれは、ウクライナの存在は、歴史の偶然、過誤によってたまたま発生しただけのことで、今やそれは終わったという意味なのであろう(the Japan times・Feb.24,2022)。

 

残念ながら、世界はウクライナを救えない。そのために露国との本格的な戦争をする覚悟は欧米諸国(日本を含めて)には、まるでないからである。長くて半年後には、我われは半植民地化されたウクライナと、ロシアを含めた世界経済の日常化を見るだろう。そして、その何年後かに、新たなウクライナに狙いを定めて紛争が起こし、かつてのソ連衛星国を順次取り戻すまで、プーチンの野望は収まらない。まるでヒトラーと同じである。その時には、中国もまた、黙ってはいない。台湾危うし‼。これに応じて、日本の動きも急となる。改憲、軍備拡張、徴兵制、原爆製造…。我が国の平和な時代は終わった。これが、向こう何年かのわが見ててである。杞憂となれば、幸いである。むしろ、それをこそ、祈る思いである。

(再び2/14付のコロナ問題に戻る)また他方で、NIH(米国立保健機関)は患者の死後1日以内の検死を、多数かつ包括的に行い、組織の病症例を収集したばかりか、多様な組織保存技術を駆使して、1週間以内の患者の肺、心臓、小腸、副腎を含めた種々の組織からウィルスを検出し、増殖度を測定した。先きの論文の著者は言う。「総合的にみると、我われの結論としては、サーズCoV-2は気管や肺に最高度の負荷を与えるが、ウィルスは感染初期に体内に拡散し、脳全体を含めて体中の細胞に感染するということである」。また肺系統の感染は初期のウィルス血症を起こし、ウィルスは血流にのって身体中に蔓延し、しかもそれは血液脳関門(blood-brain barrier・脳にとって有害な物質の脳内への侵入を防ぐ機構らしい)を突破すると想定されている。

こうなってくると、筆者にはこれ以上ことの成り行きを追うことは無理だが、どうやら患者の免疫力の程度がウィルスの全身蔓延に絡んでいそうである。また、コロナに関わる脳の多様な機能障害、たとえばブレインフォッグ(脳内に霧のかかったような思考力低下作用)、神経精神症(心因性の機能障害によって発症する息切れ、動悸)の解明については、脳内の多様な部位の精査が必要であるらしい。

2月7日以来かかわってきたコロナウィルスの一件は、これにて終了としたいが、以上の文章からでも、当ウィルスの手ごわさ、複雑さは、何となくお判りいただけよう。長期にわたる後遺症、身体全身に及ぶ疾患、脳障害にいたるまで、それがもたらす影響は甚大でありながら、いまだその全容は捉えられていないのである。であれば、ワクチン1本で制圧できるなどと思わず、今後も変異株の出現を見据えながら、さらに長期的な体制をとり、それなりの覚悟をもってこれに対応する必要があるのではないか、とあえて申し上げておきたい(この項、終わり)。


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