2021年12月10,13日

12月10日・金曜日。晴れ。

昨日、民間の日本人2名が宇宙に飛び出した。搭乗費は〆て数十億円とも百億とも聞く。宇宙関連の技術開発に資するであろう。やがては宇宙産業の道も開かれる。ならばこれは壮挙なのであろう。だが、こんな文章もある。「はしかのワクチン 3000円で120人分 栄養治療食 5,000円で150食分 マラリアの治療 10,000円で24人分 コレラ対策キット 30,000円で12人分」(『国境なき医師団の活動』より)。そして、本日の朝日新聞朝刊にこんな川柳を読んだ。

宇宙から見下ろされてる飢餓の村 浜田竜哉

この句に寄せた選者の評は「貧富の差の非情」とある。こうした巨大な落差にただ茫然とするが、政治はこれをどうすくい上げるのか。

 

12月13日・月曜日。晴れ。岸田総理の政治姿勢が見えてきているようだが、どうであろう。当初、新資本主義のもと分配の是正を強調し、安倍・菅政権の成長戦略を否定したが、批判や抵抗に合えば、あっさり前言をひるがえし、経済成長主義に転換して前政権との区別がなくなった。今は、石原氏の件やら、給付金騒ぎにもたつき、どうもふらついている。

「ブレまくり」これは今後も「ブレません」 みつお

 

承前。では、世界の砂の消費量とは、一体、どれ位か。記事は言う。砂・砂利・その他の資材を含めた毎年の総消費量は500億トンであり、これは地球赤道上にぐるりと、高さ、厚さ共に27mの壁を建設するのに十分の量であるらしい。これがどれほどの事か、筆者には想像もつかないが、毎年ともなれば、今後が不安になってくる。

その用途も単に建築資材にとどまらない。世界中の滑走路、東シナ海、シンガポール、ドバイ等の埋め立てや人造島の建設ほか、窓・コンピューター・モバイル等のガラス、さらにはシリコンチップの原料でもあり、これらが欠損すれば、世界は経済のみならず、社会の存立自体危うくされる。最近の半導体の不足が、世界の製造業を停滞させ、一銀行の、あるいは交通機関のコンピューターの不具合が大混乱を呼び起こすような、精密に連結、構築された現代社会の弱さを思えば、これらについての説明はほぼ必要あるまい。とすれば、砂は「近代社会の基礎」物資であると言うのは、よく分かる。しかし、指摘されなければ、気にもされずに放置された素材であった。これはまた、一昔前の無駄使いを表した、「湯水のように使う」の言葉に見る、「湯水」の場合と同様である。

上で砂の消費量を示したが、正確にはその総量は、誰にも分かっていないらしい。だが、今世紀になって、その使用量は急増し、これまでの3倍という。たしかに、地球上で拡大する砂漠化を見ると、供給の不足は信じがたいが、それでも需要に及ばない。そこには、こんな事情があるようだ。砂はどこでも同じではない。砂漠の砂は風に摩耗し、丸みを帯びてつるつるになる。それは建築資材には向かない。角ばって、互いにかみ合う素材でないといけない。「それらは川や海底、沿岸、石切り場で造られ、そこから取得される」。つまり、砂の供給源は、飲用・生活用水、工業用水と同様に、限定されているのである(以下次回)。


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