2021年12月8日

12月8日・水曜日。雨。本日は真冬並みの寒さとあったが、当然である。二十四節気で言えば大雪の頃である。温暖化の最中にあって、人はみな冬の厳しさを忘れ、ふやけつつある。

 

承前。以上はすべて人間の便利、利得のための乱開発の結果であり、それが行きすぎたことが、現在の資源の枯渇や環境問題を生み、もはや取返しのつかないところまで来てしまった。以下ではその資源問題を、「砂」(すな)を例に取り上げ、それがいかに深刻であるかを紹介し、人間はここでも、経済成長の限界を突きつけられていることを指摘してみたいのである。

だが、なぜ「砂」なのか。これは先ず、人々が日常生活において、普段、直接関わることが少なく、しかも身辺のどこを見ても土砂としてあふれ返っているようにも見えることから、特段、問題になるような事ではないように思われる対象だからである。

しかしそうではない。砂は建築・土木事業の「骨材」として必須の素材であり、それゆえにその消費量たるや、最大の「水」に次ぐ量であるという。現在の建築事業の止まるところを知らぬ巨大さと継続性のためである。それゆえ、その無限とも言うべき需要を満たすために、国内のあらゆる河川は無残に抉られ、山が消滅したことは、本欄でもすでに見たとおりである(2019,11/26以下を参照されたい)。

そして、これはわが国だけの問題ではなく、今や世界レベルで言えることらしい。「信じがたいことながら、世界から砂が無くなる」(ジャパンタイムズ・‘21、5/5・水より)(以下次回)。


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