2014年4月30日

本日をもって退職一カ月とはなった。「毎日が日曜日なる結構な日々」とは聞かされていたが、このひと月はなにやかや、早々のうちに過ぎてしまった。といって、これまでのわが生活の中に、長い休日のつづく日々がなかったわけではない。我が前職は教職であり、ほぼ二月の夏休みにくわえて、年末や春にもそこそこの休みが取れる。その限りでは、けっこうなショウバイであったのだ。だからこの程度の休みに、別段の感謝を捧げるにもおよぶまい。もっとも、ここで急いで付け加えておくベきは、その休暇中をただ無為に過ごしている訳ではないと言うことだ。今月ですら、それなりの読書とアヤシゲナ思索の時を過ごし、せめてボケ防止の努力ぐらいはしたつもりだからだ?
その読書について、一言。ユーゴー作『レ・ミゼラブル』(1862)(豊島与志雄訳岩波文庫)全四冊2400頁の大冊に挑む。優に1ヶ月を要す。すでに筋も中身も知ってはいたが、それは誰でも知っている!だがである。そこで展開される歴史絵巻、社会哲学、宗教、法律と処罰、社会的正義、王政と共和政、暴動と革命等などが、利己的幸福の追及と道徳心、宗教的真理との葛藤を主題とする物語の進展とのなかでどう織りなされているか。これらをどれだけの人たちが味わったであろう?世には、有名なれど読まれぬ本はいくらでもある。かく言う私もしかり。知ってはいても、否、読むべきものすら未だ放り出し、書棚に埋もれる書物のほうが多いくらいだ。いや、ここで言いたいことは、それではない。要約を読んで、分かった心算になることの愚かしさだ。要約、ダイジェスト版の必要は十分認めるものの、それで済ましてしまう危険についてだ。まさに浅薄。本日はこれまで。

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