2023年09月15,20,25,29日

9月15日・金曜日。晴れのち雨。本日は、元に戻って前々回(8/28-30)の論題の続きである。
9月20日・水曜日。曇り時々雨。不規則と疲労がたたって、腰を痛めた。これまでの経験から、一週間の苦痛を覚悟する。
9月25日・月曜日。晴れ。オオアタリ。筆者の言が的中し、思わず手を打った。本日の朝日朝刊(9/25)一面を読まれたし。

過日の日本政府による福島沖への原発処理水放流の決定に対して、中国政府は海を下水道化するなと猛反発した上、日本からの海産物を全面禁輸にしたのはご承知の通り。だが、中国政府は中国船の日本近海での操業を禁止するどころか、例年通りの旺盛なサンマ漁が行われている。当然それは汚染サンマであるから国内への搬入は禁止になる筈だが、そうはならない。その理屈は、同紙の見出しが示すように、「同じ海域のサンマに線引き」し、「中国船が取ると自国産」であるから安全であり、「日本船が取ると禁輸に」なる、との見事なまでのお説によるからである。
そして、当ブログ(9/11・月の加筆部分)で、筆者はこう指摘しておいた。公海上で漁(と)られた魚介類は「日本船によるものだから汚染されている。それ故、それは輸入禁止になる」と。朝日では、筆者とほぼ同一の言葉と理屈が述べられているのに苦笑したが、それ以上に驚かされるのは、我が説は、一つの論理の進むところを述べたまでだが、中国政府は世界の目の前で、これを恥ずかしげもなく平然として実行する臆面の無さである。つくづく思うが、国家とはこれほどまでに鉄面皮なのか、それとも中国政府だからなのか。
9月29日・金曜日。曇り。今なお夏日が続く。異常気象、極まる。

承前(8/28‐30)。近年のカナダで見られる温暖化絡みの様々な惨禍は、地球規模で生じている気候変動の一環であって、同国に限った現象でないことは、人びとにはよく分かっていた。にも拘らず、この山火事の惨状には、これまで経験したことのない規模と、拡大の速さに度を失った。35年間をかけて、気候と山火事との相互関係を一途に研究してきたトンプソンリバー大学の一教授は言っている。気温の上昇は想定内であったが、「それがもたらした影響ははるかに深刻であり、頻繁であり、危機的である。これは狂気であり、さらに酷くなる」(前掲記事より)。南フロリダの海水温度は摂氏37.7度を記録し、これはなんとバスタブの理想的な温度だと言う。
特に注目すべきは、北極圏の温度上昇の速度が世界の平均値の4倍にも達していることだ。それがジェット気流の不規則な流れを来し、そして大気圏の構造に凶暴な変動を与え、これまで経験したこともないような「記録破りの」高温、台風、雷雨、干ばつ等の気象現象を多々惹き起すらしい。そうした気候学的な説明は、筆者の手にあまるので省略するが、以上からも温暖化が地球レベルでもたらす深刻な影響については、今年、世界が目の当たりにした、カナダ他一連の惨状を見るまでもなく、何となくお分かりいただけよう。それにしても、こうした惨状をもたらした「今年の夏の大変異は(今後の)ターニングポイントであるのかもしれない」と記事は結ぶ。
上との関連で、今一つ、今年の夏の異常な暑さを示す事例を付け加えておこう。南極海の氷の異変である。南半球の季節は、言うまでもなく、北とは反対の冬である。にも拘らず、そこでの氷は記録的に薄かったと言う(ニューヨークタイムズ・8/10・木・「記録的に薄い南極の海氷」より)。当記事には南極大陸の地図と共に、大陸の周囲に張る冬季の氷の海域が、40年間の平均に比べて100万平方マイル収縮した図が掲げられ、「今年は本当に違う。…この状況は突然の変異だ」と、ここでも研究者は上と同じように「突然の変異」に深い憂慮を吐露しているのである。
その結果、南極大陸の氷河、氷床がその守りを失って、直接海洋に晒され膨大な氷塊が崩落し、海面上昇を引き起こす。かくて海洋システムの安定性は損なわれる。普通、海洋は大気中よりも温度上昇は遅く、CO2や熱を吸収するが、限度を超えれば海水温度の上昇による海流の混乱と停滞を呼び起こす。海洋生物へのその影響は計り知れない。多様なプランクトンは消滅し、アデリーペンギンの餌となるオキアミは減少する。皇帝ペンギンは海上の氷上に産卵し、その上で育成するのだが、薄い氷上ではそれが出来ない。成長前にヒナが海中に没するからだ。こうした事態は南極海周辺に留まらず、サンゴ礁の白化を挙げるまでもなく、海洋全体に及び、島嶼国や世界の沿岸諸都市を呑み込んでいく。
折しもこの記事と同一紙面上に隣り合って、「山火事、嵐、洪水、欧州を襲う」、「焼けつく熱暑に続く避難、死亡」の記事が掲載されている。まさに地球全体が温暖化どころか、「沸騰している」のだ、と国連事務総長が呻いたその通りの状況を晒しているのである。
このままでは、地球は滅ぶ(この項、終わり)。


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