2022年07月27,29日,8月01日

7月27日・水曜日。変わらず、猛暑。

7月29日・金曜日。猛暑、続く。

8月1日・月曜日。猛暑なを続く。

 

7/4からの継続。菊池氏は言っている。現在の露軍によるウクライナ侵攻は、しばしば言われているような、世界が「ルールに基づく秩序」から「力こそ正義だ」という世界への転換を告げるものではない。むしろこれは、世界史上でしばしば見られた、帝国崩壊の際の断末魔にも似た血なまぐさい悲惨な出来事の一つにすぎない。

ソビエト連邦崩壊後のロシアは、二流国家に突き落とされたとの屈辱感に苛まれ、それゆえ世界からは粗略に扱われているとの思いが募り、とりわけプーチンにはそれに対する強烈な復讐心があるようだ。かつての栄光を取り戻し、帝国ロシアの復権をめざす。ウクライナ侵攻はそのための一歩である、とはよく聞く話である。事実プーチンは、18世紀、ロシアに西欧の学術を導入し、富国強兵と共に国土の拡大を図り、ロシア帝国の建設者とも称される偉大なる啓蒙専制君主・ピョートル大帝の再来を自任していることからも、そうした彼の思いは察せられるであろう(例えば、さる6月「ロシアの日」における彼の演説をみられよ)。

では、帝国ロシアの復権とは、いかなる国か。文化的な誇りを持ち、世界から隔絶した孤高を保つ、そうした統一的な理念に導かれた国家である。そのためには、ソ連邦崩壊以前の、スラブ民族を中心とした連邦であり、プーチンはこれを、ロシアを長兄とする「家族」という言葉で表そうとしている。であれば、家族は分断されてはならない。にもかかわらず、ウクライナはそこから離脱しようとした。これは許されざる裏切りに違いない。

これを阻止する方法は容赦ないものがある。ニューヨークタイムズ(7/27)のポメランチェフ「プーチンの恥辱の帝国」によれば、まずは対象国を徹底的に破壊し、その国民の独立心や自己決定権を完全に奪い去り、自らは無価値なものと悟らせる。その結果、ロシアへの依存心が掻き立てられる。自分たちは、ロシアにすがってこそ生きられると言うわけだ。これが「恥辱の帝国」の意味であろう。そして、それは古来からの帝国主義的行動原理であり、植民地政策の典型である。また、このようにして征服された国や民族は、今度は逆に、ロシアの支配から逃れようとする国家に対して、自分がなされたと同じ過酷な攻撃、残虐を加えて、一種の復讐を果たしながら、これを捕えて絶対に逃さない。つまりマゾスティクな業火の試練を経たサディズムへの転換だと、ポメランチェフは言っている。

このたび露軍に編入されたロシア周辺国の軍隊がウクライナに対して行なった惨劇は、このようにして初めて理解されであろう(以下次回)。

 


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