2022年03月23,28日

3月23日・水曜日。曇り。先週の夏日と打って変わって、昨日は雪交じりの雨。本日もやや寒い。春先の三寒四温は例のごとしだが、それにしても少々極端で、おいの身にはややこたえる。天気にも、もう少し敬老の精神を持ってもらいたい。

3月28日・月曜日。曇り。風は、寒風とは言わないまでも、かなり冷たい。この4月より成人年齢が引き下げられ、18歳の少年・少女がいきなり成人扱いされることになる。彼らは自由に各種の契約を結べるが、同時にその責任を負うことになる。そのための訓練や教育もないままにである。なぜ、こんな法律を通したのだろうかと、いぶかるばかりだ。ことに、親の庇護のない子供たちは、成人として厳しくも冷たい社会と自ら「渡り合わないといけない」。周囲の大人たちの誘惑や罠に落ちれば、負債を負い、それを機に「将来の可能性を摘むことにもなりかねない」(朝日新聞、3/27「18歳成人「大人の責任」への懸念」)。その結果は、本人はもとより、社会の大いなる損失となろう。そのための備えを、社会はどこまで用意しているのであろう。

 

ロシアの暴虐が、狂気と共に、さらにその度を増す。戦線と銃後の区別なく、軍と民間人の混在したまま、見境のない攻撃に躍起となり、あげく「民間人への攻撃はない」と、世界に対し平然と嘘をつく。こうした冷酷かつ虚偽国家のことである。極超音速ミサイル、長距離巡行ミサイルを発射し、黒海からの艦船攻撃などなりふり構わない。果ては生物化学兵器や原子力兵器の使用まで取りざたされるに至ったが、かの国にとってはそれらの使用も何ら躊躇すべきことではないのだろう。米国大統領はそれに対する最大限の警告を発し、プーチンを虐殺者とまで言い切った。

それに応じて、米は西側諸国と協力して彼への圧力をさらに高め、ウクライナ支援を進めるが、はたしてそれがどこまで功を奏するのか。ロシアの存続が危うくされれば、原子力兵器の使用を考えるとのロシア報道官の言葉を、本日(3/23)のテレビで耳にした。だが、どの段階をもって、露国存亡の危機とみるかは全く不明で、危険極まりない。

こうした露国のタガの外れた凶暴な攻撃は、ウクライナ侵攻作戦の停滞、あるいは蹉跌による反動であるとの指摘がもっぱらである。それにはウクライナ側の予期以上の強靭な抵抗力がまず挙げられる。それにしても、ウクライナの抗戦は凄まじい。露軍による正視し得ない大量の殺傷と一切合切の損壊、都市の消滅を目の当たりにしながらの、彼らの戦闘は、祖国の存亡がかかるだけに英雄的だが、これをただ傍観する他はない我われ部外者にとっては、心や体を締め上げられるような苦痛と懊悩に、日夜、苦しむ。それとても、ウクライナの人々の万分の一ほどの苦痛でしかないのだが。

こうしたウクライナの抗戦を支える欧米諸国の露国に対する、これまでに例を見ない迅速で一致協力した支援や経済封鎖等がかなりの効力を発揮していることは、確かであろう。となると、いまや戦闘はウクライナ人が担い、欧米は物資情報等を提供すという構図になってきたようにも見える。だがそれは、人命や国土の破壊といった非常な損耗をただウクライナ国民に強いるばかりで、そうした酷い惨状には言うべき言葉もない。そして、実質的には米を中心とした西側諸国と露国との代理戦争の態を示しているとの論評もある。

その限り、ウクライナの支援と言う点で、西側の結束力はかなり維持されているように見えるが、しかしその実際はかなり危ういものであるらしい。特にエネルギー問題では、ヨーロッパは独仏共に石油、天然ガスの供給をロシアに依存し、完全には断ち切れてはいない。さらにフランスは原発関連で露国と協力関係にある。マクロンは脱炭素化のためにも原発推進を不可避として、それに必要なタービン等を製造するが、その関連で仏製の原発タービンの半数をロシアに販売するなどで、その原子力政策の一環としてロシアを組み込んでいるからだ。これにはさすがに、仏大統領選に立候補しているジャドは批判する。「マクロン政権は政治的にもエネルギー的にもロシアにますますこびようとしている」(朝日新聞3/20・朝刊・「「タブーなき制裁」免れる原発 欧州 仏、ロシアと協力維持」)。この点では、日本の政策も同断であろう。サハリン2と称するロシアでの液化天然ガス開発について、政府は昨日(3/27)の段階では、いまだ撤退の意思を示してはいないのである(毎日新聞3/27)。無資源国・日本の最弱点が晒される。

こうして、戦争は各国の最も弱い部分を容赦なくあぶりだし、目指す理想はあっけなく瓦解する。国家理性とはこのようなもので、自国の利益と存立こそが第一の重要事であり、それが危うくされるなら他国の惨状がどうあろうとも、完全に無視して打ち捨てられてしまう。国際政治とは、これほどに冷酷な闘争の場なのであろう。そしてそれは、せんじ詰めれば、我われ人間本性の一部の表れなのでもあろう。


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