2019年4月26日,5月2,8日

4月26日・金曜日。曇り時々雨。やや冷える。明日より、国民の祝日としては前代未聞の10連休が始まる。「令和」の時代目前。「令」とは「ひざまずき神意に耳を傾ける」意という。そこで令には、清々しくも美しい感覚を呼び起こす意味が込められていると共に、他方で神の意に従うことから指令とか命令の意味を孕む。願わくは、新時代が「美しくも調和」ある時代であらん事を。

5月2日・木曜日。晴れ。令和元年、二日。平成天皇は、国民統合の象徴としての天皇の在り様を皇后と共に考え、それを具体化し、国民に指し示した。それが国民に寄り添い、わが国はじめ世界平和への祈りであった。お二方の30年に及ぶご努力は時と共に一層の輝きを増すであろう。

5月8日・火曜日。晴れ。風爽やか。

 

以下は再び、ウォーカー『住みたい街を自分でつくる』(3月26日)の項に接続するが、しかしもはやその再現を目指してはいない。すでに、これまでの文章によって彼女の意図が形を変えて示されているからである。ただしここで、ウォーカーたちがつくって来た「住みたい街」は、どのような地域と環境の中にあり、また歴史を負っていたかについては一言しておかなければならない。

舞台は米国北西部ニューヨーク州中部・トムキンズ郡の一市イサカである。カユガ湖南端に位置し、3つの丘陵地に広がる新宿区(18.23㎢)よりやや狭い15.7㎢の土地に、3万人が暮らす。当然アップダウンの多い、それだけに豊かな水流が湖・渓流・滝と姿を変えて変化に富んだ自然を形づくり、そうした自然環境の中にコーネル大学、イサカ大学を擁する学園都市でもある。

当地にも勿論、ヨーロッパ人たち入植者が入る以前には、自然と共に生きてきた先住民、ここではイロコイ族の生活があった。彼らの生活が入植者たちに及ぼした影響力は、イサカ市のその後にとって、それ以上に米国の建国にとって逸することの出来ない意味を持った。

すでにイロコイ族は、それぞれ女系で繋がる6部族に分かれていたが、それらは互いを尊重し、各部族の自立性を認めながら平等の部族連合体として統治する手法を編み出していた。そこでは、「自然界とともに生き、誰とも平和に暮らしていくという価値観を、いつも思い出させてください」という祈りの言葉通りの生活が目指された。

このような価値観や統治手法に大きな感銘を受けたのは、後に合衆国の建国に尽力するベンジャミン・フランクリン(1706-1790)である。彼はイロコイ族との親交の中から、彼らの精神と原理を学び取り、ここに後の「ユナイテッド・ステイツ」という革新的なアイデアに思い至ったと言う(14-17頁)。フランクリンは言う。「シックスネーションは賢い人たちの集まりだ、だから、彼らの協議会に耳を傾け、われわれのこどもたちにも、それに従うように教えよう」。

であるとすれば、イサカのその後の歩みが、根底において女性を含めた人々の自由と平等の統治観を忘れず、さらには自然と共に生き抜く価値観に支えられて、今に至ったと言えよう。歴史の及ぼす影響力、規制力がいかなるものであるかを、改めて考えさせる話ではないか(以下次回)。

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