2019年4月12,19,23日

4月12日・金曜日。曇り。山間部には雪が舞い、季節外れの花冷えは続く。なお本日は疲労のため、前便に一段落分を加筆して、終了とする。

4月19日・金曜日。晴れ。本日は予定を変え、朝日新聞(朝刊・4/17/水)から街づくりの興味深い試みを紹介したい。

4月23日・火曜日。晴れ。本日、中野学園の理事会終了後、事務所に立ち寄る。本日中に何とか前回の文章を仕上げたい。

 

「30年後の街 発想は模型から」と題する記事は、街づくりを考えようとするものにとっては、実に啓発的である。現在内閣府は、各自治体が今後の街づくりの指針なり参考になりうるようなマニュアル作りを進めているが、そこには「19年にわたって北九州市の民間団体が提言し続けてきた「思想」」が生かされている。のみならず、当団体はマニュアル作りそれ自体のヒントをも提示したという。岡本久人会長率いる「次世代システム研究会」(八幡東区)がそれである。

本欄でもしばしば、人口減少と共に上下水道、道路等のインフラ施設のほか拡大した市域の問題が、現在すでに多くの自治体にとって行政的にも財政的にも大きな負担となり、結局、街全体の再整備―ここでは「社会のたたみ方」として提案しようとするのだが―が不可欠になっている、と言ってきたが、30年後というかなり長期の時間軸を取って、この問題を考える点が参考になる。一気に30年後に飛ぶことによって、現に目の前にある都市景観や交通網から解放され、またこれを無視して、自由な発想で30年後の街の全体像を構想し、そのために取るべき今後の方向性や街区の策定等が展望されるからである。

事の次第はこうだ。先ず、研究会の基本「思想」は「ストック型社会」、すなわち「住宅やインフラを長寿命化し、何世代も使える」ような街づくりを目指すという考え方である。耐用年数の短命な構造物では造っては壊すの繰り返しで、せっかくの資金は他に回せず、そして次世代も同じ問題を免れない。これでは結局、ゆとりある社会の到来は望めない。であればこそ、ストック型社会の建設が説かれるわけだが、その意義はこれに留まらない。岡本会長は言う。「人口減少も資源問題もSDGs(持続可能な開発目標)も、多くの課題はストック型の考え方で解決する。将来の課題に対応できるよう、マニュアルも活用して今から街や地域を再設計することが大事だ」。

では、「街や地域」はドウ再設計されるのであろうか。そこで活かされるのが、「都市模型」である。まず、当該地域の地形・人口減少地区・自然災害の予測地や範囲を重ね合わせた地図を作成し、これを基に都市の各施設や住宅区域等をどう配分するかと言った議論を進める。その結果は3Dプリンターによって立体化された「都市模型」に再現される。

人口6.5万人を擁する八幡東区の場合は、150センチ四方の模型(縮尺2千分の1)が造られ、それを前にして10代から70代の市民たちが3日間の議論に明け暮れた。参加した70代の男性の感想を引こう。「私たちの世代は今の延長線上で考えがち。若い人の発想に学ぶことが多かった」。

その意味は次の発言から伺えよう。「坂は急だが、眺めがいいから高級住宅街に出来るかも」「この場所は、風がよく通るから畑に変えてはどうかな」。こうして街を大きく変える発想が相次ぎ、不便な山間地域が果樹園に代わり、雑木林を備えた住宅地が誕生し、果ては「住まいは所有権から利用権が主流になる」との注目すべき意見まで飛び出した。

このような将来像は参加学生の心をシッカリ捉えたようだ。「大学卒業後は都会で生活したいと思っていた。でも八幡東区が生まれ変わっているなら、もう一度戻って生活したい」。大都市の生活がすべてではない。小なりと言えど、住むに快適で、心地よい生活の場であれば、人は自ら選んで住み着くものだと教えられる話ではないか。

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