2025年05月02日

5月2日・金曜日。雨。強雨、強風の中、5㎏ほどのバッグを背に、突進するようにして、社屋にたどり着く。と、こう書くのには、訳がある。今当社では、なかなか面白い企画が進行中で、これには筆者を含めて20人ほどが参加している。バーチャル・ロードレースとでも言おうか、東京本社を起点に新潟支社までを歩こうと言うのである。ルートは大宮、前橋、伊勢崎、渋川、魚沼から一路新潟市に向かう。総距離数、300㎞強という。各人はスマホに取った毎日の歩行数を担当者に申告し、それを上記のルートに落とし込んで、自分の位置関係が示される。

出発は4月1日。号砲が鳴る。一月後の現在、トップは魚沼市(240㌔)を通過し、筆者は南魚沼市(205㌔)を彷徨っているらしい。それでも堂々の3位(暫定)を維持し、3~40代の連中を抑えてのことであれば、もう大健闘である。

こう言えば、威勢はいいが、実のところは、それは大変。青息吐息のダウン寸前である。一日平均9千から1万歩をノルマとするが、出社する曜日以外は、昼夜逆転のわが生活でこれをこなすには、22時以降にタップリ90分以上を当てることになる。これで5~6千歩を稼ぎ出すが、誰に頼まれたわけでもないのに、夜ごと真っ暗な市中を、背嚢を背負いながらの徘徊を天上から見てみれば、それはもう常軌を逸した所業だ。ぐったりして部屋に戻った後は、就寝までを新聞、読書、テレビ、風呂とこなす。そして、翌日というか当日というかの夕刻に起きるとなると、寝たのか起きたのかよく分からぬ朦朧の境にあり、そこからまた一日が始まる。こうして、あちこち痛むし、疲労は募る。そのせいか、読書力は、恐ろしく落ちた。

だが、そんなことの連続で、歩くとなると、とたんにスイッチが入って、遮二無二歩き出す。雨だろうが風だろうが、もうマッシグラとなって、突進スタイルになるらしい。それにしても、わが身ながら、浅ましい。当企画は、社員が日々の生活の中に、少しでも歩行の習慣を取り込み、健康増進に役立てれば、との親心から始まったようだ。だからこれは競争ではなく、ミンナでゆっくり歩こうよ、これがその趣旨であった。しかし、それがわが身に入ると、目の色が変わって、何かヘンテコになるのは、わが遺伝子にそんな要素が埋め込まれているのであろうか。それでも、こんなことが出来るうちは、まだ元気なのだろうと、勝手に思うことにしている。


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です