9月30日・月曜日。曇り。時に蒸し暑く、また肌寒い。応対に困る陽気である。
承前。著者は火炎放射器の使用を断言してはいない。まず、ドロドロにまで溶解された金属塊の存在と、それに付着する黒い物質の諸成分の分析から、こうした溶解を可能にする燃料・ベンゼンが想定される。次いで、これは元来現場には存在するものでは無く、それゆえ外部から持ち込まれる他はない燃料であり、そしてこれを使用する火器の一つとして、たとえば火炎放射器が上げられたのである。
だが、火炎放射器とは、御巣鷹山にはいかにも唐突であり、それ以上に不気味である。しかし、事故当日のその夜、現場上空では夜通し、探照灯をつけた何機かのヘリコプターが舞っていたとの現場近辺の住民たちの声、それらを記す文書が残されているのである。しかもこれらの証言は、現場近辺の状況を、ただありのまま伝えた住民の声であり、小中学生の文集に残された文書でもあれば、これを疑う理由は何もない。つまり、その夜のことは事実であったのである。
では、ヘリコプターは何故そこに飛んでいたのか。それは何者なのか。この時間、ジェット旅客機の墜落事故のニュースが列島中を覆い、しかもその現場は依然として特定されていなかった。NHKでは長野県沿いの山並みが伝えられ、さらにその場所は迷走する。だが、地元民はいち早く、現場は長野ではなく、群馬の御巣鷹であることを特定し、住民の何人かは、中学生も含めて、わざわざNHKに連絡し、局はそれに対して「有り難うございます」との一言を返すのである。通報した生徒は、これで安心したと思ったが、しかし放送は訂正されないままであった。実に、奇怪な話ではないか。5百名の人命がかかる、一刻を争う報告である。
これらが語っていることは何か。事故上空を舞うヘリコプターは、現場はどこで、何が生じていたかを、すでに正確に知っていた。NHKは意図的に誤情報をながした疑いが高い。現場付近の救援隊の到着を遅延させるためであろう。こんな大掛かりなことが出来るのは、国の実力部隊、自衛隊しかあり得ないではないか。これが著者の論旨である(以下次回)。
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