9月3日・火曜日。曇り時々雨。残暑は相変わらず厳しく、落葉樹の葉はいまだ青々しい。だが、新緑のしなやかさは疾うに失せ、日暮れ以降の風はさらに涼味を増す。もはや秋。
本日から、本題に戻るつもりが、TheJapanTimes(Mon、Sep.、2、2019)に「森林火災はアマゾンの唯一の脅威にあらず」の記事を読み、前2回の論題を引き継ぐことにした。
当地の熱帯雨林はこれまで様々な脅威に曝されてきたし、現在もその最中にある。農場化、鉱山の採掘、不法占拠もまた、森林火災(特に人為的な)と共に森林を蹂躙してきた。以下順を追って要約するが、これを南北両極圏の氷床の崩壊、海面上昇と重ね合わせる時、何か地球の終わりが差し迫るような恐怖を覚えないであろうか。
記事の農場化の原語はfarmingであり、辞書には「農業、農場経営、牧畜、養殖」の語釈が当てられており、また『精選版 日本国語大辞典』には農場化の言葉はない。よってこの語は筆者の造語になるかも知れない。それでもあえてこれを言うのは、「化」によって、森林地帯の農地化が押しとどめる術もなく、全面的に展開していく運動態のような状態を示したいからである。まさに事態はそのように進展しているのである。
当地帯では、ボリビア、ブラジル他全てで9カ国がそれぞれ統治権を有し、各国とも農業地の境界線を拡大、前進させている。その方法は、例えば、ブラジル、ペルー、エクアドル、ボリビアでは、いずれも共通して農民が乾燥期に焼き畑によって農地を造成してきたが、「それがしばしば制御不能な延焼に至るのである」。
またボリビア政府は最近、5㌶に代えて20㌶の焼き畑を正式に承認し、それは「5月以来、草原、森林合わせて120万㌶を無にする数千の森林火災を呼んだ」と言われ、さらに国連データによれば、コロンビアでは17万㌶に及ぶ違法なコカ栽培が森林を徐々に蚕食しているようなのである(以下次回)。
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