2019年7月5日

7月5日・金曜日。曇り。本日、76歳の誕生日前夜。と言って、特別の事もなし。蒲柳の身ながら、よくぞ今日まで生き永らえた。振り返れば、あれこれ思いあぐみ、ただ時間を食い潰し、そして、今に至ったとの思いのみ。

 

以上は、地球レベルで進行している環境破壊のほんの一端に過ぎない。だが、それでも全生命の生存にとっていかに深刻な状況であるかを考えさせるに十分であろう。しかもそれらの破壊は、もはや巨万の富を手にした者たちのさらなる富を求めて止まぬ、「狂気」そのものの経済活動の結果であると言うに及んでは、これを放置し、沈黙することは出来ない。そんな事をすれば、彼らを是認し、加担することになるだけである。自らを蛆虫におとしめた者は、踏みにじられても文句は言えぬ、とはカントの言ではなかったか。

先進国にとっての現在の課題は、もはやこれ以上の経済発展を目指すことではない。冨者に偏在する富の分配の問題である。そのための法整備に先進各国は共同して取り組み、また折角の対策をすり抜け、無に帰するようなタックスヘイブン(税避難地)を許さない対応を急ぐべきである(志賀 櫻『タックスヘイブン―逃げていく税金』岩波新書・2013)。同時に、経済発展のない経済社会においても、あるいはそこでこそ、人は充実した、真に豊かな生活を送り得ることを示す経済社会の構想が提示されなければなならないだろう。

だが、そのような構想と実践は、すでに本稿においても幾つかの文献を挙げて示したように、今に至るまで世界中で試みられ、多くの成果を上げてきている。イサカ市の試みもその一つである。こうして我々はまたイサカに戻ることになった(以下次回)。


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