2014年10月15日

10月15日・水曜日・雨。秋深まるも、その実感いまだし。温暖化のゆえなるか?

この新たな郊外地に隣接して、破壊された家々の瓦礫の山が放置されている。だが、残されたバラックの数ブロック先では、部分的に出来上がったマンションが打ちつけるハンマー、唸りをあげるドリルの音に応じてその高さを増していく。

地主たちは地価上昇につけこもうと、必死になって圧力やら退去命令をだしては、彼女たちに退去を迫り、また家賃月額5万ウォン(50ドル)を20万ウォン(200ドル)と4倍以上に値上げしている、とはサンリット・シスター・センター所長WooSoonduk氏の言である。 こうした女性たちの多くは、政府が自分たちの福利および金銭的な安定のため、これまで以上の責任を負うよう求めている。彼女たちは韓国のために大事な役割を担ってきた、と信じているのだ。

今年6月、元基地村売春婦たち122名が、韓国政府に対して訴訟を起こした。彼女たちは各1000万ウォン(約9870ドル)の補償をもとめた。その開廷日はいまだ決められてはいない。彼女たちを支援する活動家、法律家によれば、警察は彼女たちの退去を阻止しているとのことである。さらに、政府のほうは彼女たちに性病検査の受診を強制し、もしこれに罹患していれば、収容措置をとり、また米軍および政府の役人が定期的に売春行為にたいして監視をしているとの由である。

これまで政府は基地村を、売春を統制し、極めて欠乏している外貨を稼ぎ、かつは米兵たちを幸福にする一手段だとみてきた。また、政府は1950年,60年代には、米兵による韓国女性に対する性犯罪の上昇を恐れてもいた、とParkは言う。

ジェンダー平等及び家族相の女性報道官は、法廷での結審をみるまでは、このコメントを差し控え、また自らの姓名の開示は公務員法による禁止令を盾に拒んだ。他方で、米軍はこうした女性たちに関する特殊な質問にたいして回答したがらず、ただ彼女らの訴訟を軍として承知していること、また売春にたいしては「何ら許容しえず」(zero tolerance)との立場であること、を表明するばかりである。

彼女たちの多くは、ニッチもサッチも行かない状況にあることを感じている。

昔のラジオで、トム・ペティとハートブレーカーの「反抗」(Rebels)で演じられたように、元基地村売春婦Kim Soon-hee(65歳)は、一かけらのメロンを口にした。部屋は吊られた物干し網で十文字に切り裂かれ、そこでのベッドや化粧ダンスは部屋にそぐわず、壁を覆うカビが部屋の空気を耐え難いものにしている。彼女の願いは近くのもっと良い場所に移ることだが、そうするにはあまりに貧しい。「冬はネ、パイプが凍って水がでないのヨ 」と言った。彼女は他に、いずれも空き室になっている一部屋だけの二棟に囲まれた中庭を借りている。

Yang Young-mi(67歳)は少女の頃孤児になり、軍の基地村でほぼ20年を働いたが、疥癬に病む3匹の犬と暮らしている。その一匹がかんだ咬み傷が彼女の腕に長く白い傷跡をのこした。「もしかしたら、私があんまり長いこと米兵たちと暮らしたモンだから、私はもう韓国の男とは旨くいかないかもしれないネ」と言って、Yangは続けた。「何故私の人生はこんな風にナッチまったのかネー」。


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