2014年7月30日

7月30日水曜日・炎暑

前回予告のとうり、天童市でささやかな公演会をもった。聴衆は30名チョイ、年代的には6,70代の方々で、ご婦人もちらほらみられた。とても将棋に興味があるとは思えなかったが、それでも皆さん、最後まで熱心にお付き合いを頂いた。当会の責任者である生涯学習課長さんから、寄せられたアンケートの結果は大変好評で、御自身も面白く聴いたとの由。ともあれ、私もそれなり、責めを果たせたとすれば、まずは一安心である。これで大学への義理もたった。なお、この度の天童行については、面白い話がいくつかあるが、それはいずれと言うことにしよう。

今日は、わが話の中の一つを抓んで、お考えいただこう。それは、レジメ5にかかわる話しである。そこでの主旨はこうだ。最近の将棋ソフトの進歩は目覚しく、ついにトッププロさえも負かされてしまう。しかもその負かされ方が、尋常でない。米長氏が負けてからと言うもの、将棋連盟も危機感を持ち、次回については、ソフト開発者、主催者などを交えて様々な協議がなされた。例えば、誰がどのソフトと対戦するかを特定し、その上で各期士は対戦相手のソフトの癖や戦術上の対策を採ることが出来るよう、予め当のソフトの貸し出しを求め、持ち時間を各3時間とするなどである。こうして、棋士側はそれなりの準備期間や研究時間を持てたのである。たしかにそれは、棋士にとっては有難いことではあるが、反面、言い訳の出来ない状況にもなった。ともあれ、このようなお膳立ての上で、ソフト連合5組対プロ5人が対峙した。選抜された棋士たちはコンピュータには明るい実力者揃いの面々である。つまり、将棋連盟としては満を持しての対戦をむかえたのである。にもかかわらず、その結果は、ソフト側3勝1敗1分の快勝であった。かくて、連盟や将棋フアンはモチロン、普段は将棋になんぞ目もくれない人々にさえ大きな衝撃を与えたのであった。一言つけ加えれば、プロ・アマの力量に最も差のあるゲーム、競技は、相撲と将棋と言われているが、それほどにプロの力は絶対的だと信ぜられてきたのである。すでにチェスで負け、そして将棋よ、お前もか。と言ったところであったのかもしれない。

だが、将棋でヒトが敗北したことに、私も含め人々は、何ゆえかくも大きな衝撃をうけたのであろう。仮に、相撲がブルドーザーに押し出されたら、このことに驚く人がいようか。むしろ、相撲取りがブルドーザーを押し出すほうが、はるかに驚愕事であるにちがいない。だが、この違いは、なんだろう。これが、私の問いである。話はヤットいい所にきた。でも私は、モウ疲れた。今日は、これまで(次回につづく)。


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